プロフィール
盛岡市のブライダルコンサルタントの山内路子さん=同市黒川7の29の25=は、オフィスヤマウチ代表として25年間におよそ300組の夫婦の縁を結んできた。盛岡マニラ育英会でボランティアとしても活動し、フィリピンの子供たちの成長を見守っている。若い人が家庭を築いて子供を設けるのを見るのを楽しみにしている山内さん。少子化で出生率が下がる一方の日本の将来を心配し「もっとみんなマニラの子供たちに負けないようなパワーを」と話す。子供たちのざわめきが聞こえる盛岡を夢見て、若い人たちの仲を取り持っている。
山内さんは1982年から結婚コンサルタントを始め、88年からは豊富な体験談をもとに県内公共団体の依頼で講演活動を行っている。若い人たちのコミュニティー空間「はなしのアトリエ」で出合いの場を提供し、パーティーやレジャーを通じて似合いのカップルを引き合わせてきた。
「子供が生まれたとか七五三を迎えたなどと書いてある年賀状をもらうのがわたしの生きがい。あのとき会わせなければ、この子供たちもできなかったと思うとひとしお。孫がたくさんいるようなものです」とにっこり。
出会いには不思議な縁を感じることが多い。あるカップルのこと。女性のお舅(しゅうと)さんに「お祭り好きの男がいいなあ」と言われた。引き合わせようとした男性は研究室に勤めているような学者肌で、ちょっと困った。
おそるおそる「お祭りなんかは好きなの」と聞くと、男性に怪訝(けげん)な顔をされた。「やはり駄目か」と思ったが、答えは「なぜ言わないうちからそれが分かるんですか」。
学者肌の彼は、実は大のお祭り男だった。上京しても盛岡の山車が忘れられず里心を抑えられなかった。さらにその女性と引き合わせて話をさせるや、偶然にも子供のころに盛岡観光協会の山車に一緒に参加していたことが分かった。たちまち意気投合して結ばれたことは言うまでもない。
逆に条件だけで結論を出すと残念な結果に終わることが多い。職業が気に入ったという理由だけで結婚したカップルがあったが、決断した段階で「大丈夫かな」と不安がよぎった。新婚旅行のあとすぐ離婚して心配通りになってしまったという。
一番うれしいのは「どちらも難しいかな」と思うような男女が結ばれたとき。「そういう人はとてもハートがいいので縁を忘れない」。
もうひとつ山内さんが取り組んでいるのは盛岡マニラ育英会の活動。里子は山内さんが体調を崩すと気遣うカードをくれる。「マニラに行くと日本では東京や大阪よりも盛岡が有名。この前は政情不安のときに入国して外国人は空港で足止めを食ったが、里子の写真を見せて盛岡マニラ育英会というと途端に対応が変わって入国を許可した」と感心する。
先進国で少子化が進む日本と、発展途上で子供がどんどん増えるフィリピンを比べて、「フィリピンは貧富の差が大きいが、みんな明るいしパワーがある。日本は豊かでもどこか元気がない子供たちが多くなっている。世の中に子供の声が聞こえなくなってきたのが心配。だからもっともっと縁結びをしなければ」と話し、人と人との出会いを盛んにしようと、国際感覚で張り切っている。
---盛岡タイムスより---